妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
今のメレディスには高価なものを贈る力はないが、その中でせいいっぱい感謝の気持ちを表現した。
カイエンは料理も気に入ってくれたようで、終始機嫌がよく楽しく会話をしながらの夕食となった。
食事の後は、レオナたちを下げて花を観賞した。
外見からは想像できないため、知ったときは驚いたが、がカイエンは意外と花が好きだ。
メレディスは、、北部の厳しい寒さの中でも、力強く咲き誇る白雪花[Y52.1][RY52.2]と呼ばれる薔薇の前に立った。
ち、カイエンも隣に佇んでいるに話しかけた。
メレディスは優しくカイエンを見つめた。
「お借りしている侍女から聞きましたが、カイエン様は薔薇が好きだそうですね」
「ああ、一番好きな花だ」
僅かに存在する魔導士は皆薔薇を好むという。メレディスのような普通の人間には分からないが、薔薇にはごく少量だが魔力が宿っているらしい。そのため魔導士が身に付けると、魔力が高まり精神が安定するのだとか。
「カイエン様は魔導士なので、薔薇と相性がいいのでしょうね。そうなんですね。よかったらこの白雪花を持って帰ってください」
今はメレディス自らが手入れをしている大切な花だが、カイエンになら躊躇いなく渡せる。
カイエンは「ありがとう」と幸せそうに目を細める。その柔らかな眼差しから深い愛情を感じ、メレディスの頬は熱を持った。
(どうしてそんなに優しい顔をするの?)
婚約者だったマティアスにも、これほどの優しさ好意を感じたことはない。
まるで彼に愛されているような錯覚に陥ってしまう。
メレディスがカイエンに魅入っていると、彼はどこか照れたように目を伏せた。