妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
(まさか……)
これまでの出来事が脳裏で浮かんでは消えていく。
突然の病、ベルティへの婚約者変更、公爵家を出てからたら改善した体調。
メレディスが感じている衝撃を察しているようにカイエンが頷く。
「メレディスを診たダリエは初め異形症と診断したが、僅かな違和感を覚え徹底的に調べたんだ。毒の可能性が高いと判明した後は解毒薬を用意した」
「私が飲んでいた薬は解毒剤だったの?」
「そうだ。高価は効果はてきめんだった。メレディスは想定以上に回復した。自分でも分かっているだろう?」
カイエンが労わるように言った。
「はい。病に罹る以前のように体が動きます」
「よかった」
カイエンが優しく目を細めたが、すぐに真剣な光が瞳に宿る。
「ダリエから毒について報告を受けた後、すぐに調査してカロッサ公爵家が関与していると突き止めた。メレディス。真の犯人が見つからない以上、カロッサ公爵家の人間とは関わらない方がいい。君が無事だと知られたら、また毒を盛ろうとするかもしれない」
「はい」
恐らく真犯人は継母かベルティのどちらかだ。
屋敷を出る日の、ベルティの恨みに染まった顔を思い出す。
彼女はメレディを憎んでいた。マティアス王太子の妃になる夢を叶える為なら、疎遠な姉の命をとることくらいするかもしれない。
恐怖が喉モノもとまで押しあ上がり、ぶるりと体が震えた。
「大丈夫だ。俺が守る。ここに居る限りメレディスに危害を加えられる者はいない」
カイエンの声はとても親身で、メレディスを心から案じてくれているのが伝わってくる。
「はい……」
出会ってまだ間もないけれど、彼の言うことなら信じられると思った。