妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
話が終わるとカイエンが部屋を出て、ダリエの診察が始まった。
彼女はメレディスの脈を取り、体を検査する。しばらくすると彼女の怜悧な顔に満足気な微笑が浮かんだ。
「経過は順調です。あとひと月薬を飲めば完治するでしょう」
「……完治」
メレディスは呆然として呟いた。それは何よりも聞きたかった言葉。
信じられないそう思う一方で、胸の奥底から喜びがこみ込み上げる。
訪れた奇跡に、メレディスの瞳から涙が溢れた。
(よかった……本当によかった)
「ダリエ先生、本当にありがとうございます。このような幸運を得られたのは、ダリエ先生が毒に気づいて下さったから。感謝してもしきれません」
メレディスは気持ちを切り替えて覚悟もしていた。
残された時間を、大切に生きようと。
けれど本音では生きたかった。まだこの世に未練が沢山ある。
健康な体で自由に過ごす。ただそれだけが願いだったのだ。
ダリエはメレディスの感情が移ったかのように、潤んだ瞳を潤ませるしている。
「ダリエ先生……本当に感謝していますありがとうございました」
「……お礼は辺境伯閣下に直接してください。メレディス様の病を治す為、寝る間も惜しんで毒を突き止めたのは、あの方彼ですから」
「カイエン様が……私のために、どうしてそこまで?」
今のメレディスは公爵家の後ろ盾を失い、助けたところで見返りなんてない存在だ。
カイエンには目論見があってメレディスを助けたのではないと信じているが、彼の行動は理解できない。単に面倒見がいいというだけでは、無理があるような気がするのだ。
「直接閣下に聞くいいですよ。辺境伯様はメレディス様をとても大切にしていらっしゃるので、きっと話してくれます」
ダリエは、そう言って微笑んだ。