妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています

 レオナはいつも『カイエン殿下はお嬢様を溺愛していますね』とニヤニヤしながら言う。

 オスカーは『彼の優しさはお嬢様にだけ向けられている。騎士団がこの姿を見たら驚愕しそうだ』としみじみ呟いた。

 オスカーはカイエンの薦めで、メレディスの結婚後にキースリングの騎士団に入ることになった。既に訓練に顔を出しており、団員たちとも交流している。

 オスカーが言うには、カイエンにはメレディスの前で見せる優しさとは、別の顔があるらしい。

『そういえば、冷酷だって噂がありましたよね。私も見てみたいわ』

 レオナが興味深そうに言う。

『私も興味があるわ』

 メレディスも同意したが、今のところ機会はないままだ。

「メレ、もしかして何かあった?」

 お茶を飲んでいると、カイエンが尋ねてきた。

 彼はメレディスのほんのわずかな変化も見逃さない。

「うん……カイに報告することがあってタイミングを窺っていたの」
「俺に? なにかな」

 カイエンは全力で話を聞く体勢を取った。

 メレディスは少し緊張しながら切り出す。

「私、妊娠したわ」
「……え?」

 カイエンの穏やかな笑顔がぴしりと固まった。

「カイ。お腹に私たちの子供がいるの」

 言葉を変えて伝えると、カイエンは呆けた表情になり、それからすぐに驚愕のそれに変わった。
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