妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています

 彼は立ち上がりメレディスのもとに来ると、片膝を着く。

「本当に?」

 カイエンはメレディスの手を大切そうに取った。

「ええ。ついさっきダリエ先生が診察中に気づいたの。私も驚いてまだ実感が湧かないわ」
「ああ……本当に驚いた」

 カイエンは夢見心地のように囁く。

「でも、こんなにうれしいことはない」

 光が溢れるような笑みを浮かべ、カイエンはメレディスを抱きしめた。

「メレ、本当にうれしい。俺は国一番の幸せ者だ」
「カイ……私もうれしい」

 メレディスは、彼の腰に手を回した。心の中に愛しさが込み上げる。

 誰よりも自分を愛してくれる人との子を宿したのだ。

(きっと赤ちゃんも幸せになれるわよね)

「何も心配はいらない。全て俺に任せて、メレは体を大切にして」
「ありがとう。でもカイはますます過保護になりそう」

 くすりと笑うと、カイエンは優しくメレディスの髪を撫でた。

「メレが心配なんだ。でも行きすぎないように気をつける」
「うん」

 カイエンは分かったと言ったものの、すぐにメレディスを抱き上げて、温室から屋敷に連れ帰った。

「今日の夜は特に冷えそうだ。部屋の温度に気をつけてくれ」

 メレディスをソファに座らせひざ掛けをかけながら、レオナに指示を出す。

「オスカー、屋敷の警備状況について改めて確認したい」

 メレディスがゆっくりしているのとは対照的に、カイエンは忙しそうに動き回っていた。

「メレ、また後で来るから休んでいて。絶対に無理をしないように」

 カイエンは用が済むとメレディスのもとにやって来て念を押し、そっと口づけてから出て行った。
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