妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています

「我が領にはなんの用だ?」
「隣国から王都に戻る途中に、立ち寄っただけだ」
「カロッサ公爵家とはどのような関係がある?」
「個人的に仕事を受けたことがあるが、それだけだ」
「なるほど」

 カイエンは口を閉ざして、男を見つめた。

「……分かったなら解放してくれ。これ以上は違法な監禁になるぞ」
「そうか?」

 カイエンは冷ややかに答える。

「辺境伯でも国法は無視できないはずだ!」
「罪人にその法は適用しない」

 カイエンは多くの悪人を見てきたことで、鋭い観察眼を持っている。

(この男はどう見てもなにか隠している)

 リントン村近くをうろついていたことからも、メレディスと無関係とは思えない。

 カロッサ公爵家のメレディスに対する冷遇を考慮すると、よい話ではないはずだ。

 カイエンは躊躇わず傍らの騎士に合図を送った。

「手紙を取り上げろ」

 これまでカロッサ公爵の名に躊躇っていた騎士達が、カイエンからの指示で動きだす。

 抵抗する男から容易く手紙を取り上げて、カイエンに差し出した。
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