妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています

「お待たせしました」

 メレディスの声に、ベルティは弾かれたように顔を上げた。

 ベルティはメレディスを目にすると、さっと顔色を変え唇を噛み締めた。

「お姉様……お久しぶりですね」
「ええ、ベルティも」

 メレディスはベルティの正面の席に腰を下ろした。

「今日はどのような用件で?」

 ベルティの敵意は今もまだ消えていないのが明らかだった。とても和やかに話す気にはなれずに、メレディスは早々に本題に入った。

「お姉様が王都にいらっしゃっていると聞いて挨拶に来たんです。私たちは姉妹だから当然ですよね?」
「お気遣いありがとう」

 淡々と答えるとベルティの眉間にしわが寄る。

「本来なら、お姉様が公爵邸に挨拶に来るべきですけど」
「そうね。でも私が顔を出すと迷惑をかけると思ったの」

 一度は追い出された身だ。継母もメレディスの顔を見るのは気まずいだろう。

「ところでお姉様、異形症はどうなったのですか? ずいぶん元気のようですけど。それともドレスの下はもう灰色に変わってしまいましたか?」

 ベルティが、にやりと笑いながら言った。

 挑発的なその態度に、メレディスは眉をひそめた。

 不調の原因は毒だったが、結局誰がメレディスを害そうとしたのか証拠が見つかっていない。
 
 疑わしいのは公爵家の人々。しかしメレディスは追及せず一度は許すことを決心したのだ。

 彼らには長年の情があった。それにカイエンとカロッサ公爵家が敵対するのを見たくない。二度と同じことが起きなければいいのだ。

 今のところ繰り返すことはなく平和に過ごせている。ベルティが蒸し返すさなければ、メレディスはもう忘れようと思っていたのに。
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