妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
用意していた馬車にレオナと共に乗り込んだ。
オスカーが馬を操り御者はオスカーが勤めている。
これから北方に向かう。メレディスは亡くなった母から受け継いだ小さな領地、リストン村で暮らすつもりでいることになる。
王都から離れており住人も少ないので、メレディスの病についての噂は届いていないだろうし、平民ばかりなので異形症についても王都ほど知られていない。
メレディスが最後の時を穏やかに過ごすのに適しているだろうのだ。
「お嬢様……大丈夫ですか?」
レオナが不安そうに問いかけてきた。彼女の表情は心配そうに曇っている。
「うん」
メレディスは頷いた。それでもレオナの顔色は冴えないままだ。メレディスの病が発覚してからというもの、レオナは一層過保護になり、子を守る母獅子のように神経を尖らせている。
「本当に無理してないから大丈夫よ」
ベルティの件はたしかに衝撃的だったけれど、それも異形病だと発覚した時ほどの痛手ではない。
思い描いていた未来が閉ざされ、自分の体があとどれくらい持つのか分からない不安に苛まれ、泣いてばかりでなかなか立ち直れずにいたあの頃に比べたら、もう怖いものなど何もない。
三カ月かけてメレディスはどん底から這い上がったのだ。
この先どうなるかは分からないけれど、笑顔を忘れず少しでも前向きに生きていきたい。
裏切った人たちのことで嘆くなんて、時間の無駄だ。
「リストン村まではどれくらいかかるのかしら」
メレディスはレオナの気を逸らそうと話題を変えた。