妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
「ただ兄はベルティについてそれほど警戒していなかった。何もできないと思っていたからだろうが、婚約解消になってから、なんの手も打っていないと聞いて血の気が引いたよ」
「仕方ないわ。公爵家の令嬢があんな凶行に走るとは普通は思わないもの」
「君に毒を飲ませたのはベルティだって気づいているだろ?」
うかがうようなカイエンの言葉にメレディスは頷いた。
「うん。カイも分かっていたんでしょう?」
「ああ。でも君は妹を捕らえることも、俺と公爵家が争うことも望んでいなかった。だから彼女が新たに毒を手に入れないように公爵家に俺の配下を送って見張っていた」
「ありがとう……」
彼はずっとメレディスの気持ちを尊重して、影ながら守ってくれていた。
「でも今回は見逃せない。覚悟しておいてくれ」
「分かってる。後のことは全てカイに任せるわ。あなたを信頼している」
メレディスはカイエンの胸に身を寄せた。彼は一瞬びくりとしたが、すぐに大きな手でメレディスを抱きしめる。
彼の腕に包まれると安心する。
ベルティの悪魔のような顔はもう記憶の彼方に消えて、安らぎに包まれた。