妹に陥れられ追放された令嬢ですが、氷の王弟に息子ともども溺愛されています
「義父上が病に伏せていると聞いたので、隣国の薬を試してみてはどうかと思ったんだ。効果があったようでよかった」
淡々としたカイエンに、父が感謝の眼差しを向ける。
「カイエン殿下、感謝いたします」
「カイ、私からもお礼を言うわ。お父様を助けてくれてありがとう」
メレディスが潤んだ目で告げると、カイエンは優しく微笑んだ。
「君の父上のことなのだから、当然だ。これからも力を尽くして支えていくつもりだ」
カイエンはそう言って、父を見た。
「ベルティ公女の件は、どうされるおつもりですか?」
父の表情が重く沈んだ。
「介入するつもりはない。あの子は国法に従い罰を受け入れるべきだと思っている」
「辺境伯夫人への殺害未遂だ。義父上の助けがなければ、十年以上の幽閉刑になると思いますが」
「理解しています」
父は覚悟を決めたようだが、瞳は悲しみの色があった。
罪人でも彼にとっては実の娘だ。心が痛むのは当然だった。
「お父様、お義母様はどうするの?」
継母はベルティに甘かったが、犯罪には関わってはいなかった。
「ベルティの件で我々は針の筵だ。妻は領地に送ることにする」
「お父様は?」
「私はここに残り、公爵家を建て直す。世間を騒がせた責任を取らなくてはならない」
父は覚悟を決めたようだった。真剣な目でカイエンを見つめる。
「カイエン殿下、娘をどうかよろしくお願いいたします。幸せにしてやってください」
「はい。もちろんです。必ず幸せにすると近います」
カイエンの力強い宣言に、父は今日初めて安心したような表情を浮かべた。