まことしやかな恋
息継ぎなく吐き出された言葉は、私に対して悶々と抱えていたものなんだろう。わからないふりをすれば、呆れたように肩を竦められる。
「一度、痛い目見た方がいいかな」
独り言のような声が、宙に溶けた。
人の上に乗っかって優雅な面で悩んでいる恋人はナチュラルに傲慢だ。
己の行く末を承知してる私は、軽く上体を起こして男の胸ぐらを掴み、そのままベッドに逆戻りするように沈む。
反応が遅れた嗣海は体勢を崩して、私に覆い被さる形になった。
「遠くて寒い」
「……」
「いつまでお喋り続けるの?」
互いの吐息が重なるほど、唇が近い。
沈黙したまま瞳孔を狭めた男は、手元に置いておきたかったはずの理性を捨て、噛み付くような口付けをする。
器用に、性急に、服が脱がされ、まことしやかな淡いハートマークが露わになった。
「俺の運命」
唇が、運命に触れる。
宝物に触れるような優しいキス。
手心を加えられていたのは、それまでだ。どちらからともなく、唇を重ね、舌と舌を絡め、体温を共有するように抱き合った。
夢中で求め合い、身体を密着させる。丹念に愛撫され、しめやかな指先と唇でくまなく全身を辿られた。
「……んっ、も、むり……」
「まだだよ、抱き潰させて」
散々に貪られ、夜が明けても、甘い情交は終わらない。
途方もない快楽に襲われたまま、私は朝日の中で意識を手放した。