まことしやかな恋

 真面目に荷解きしていたのが途端にめんどくさくなり、両手を床について寝転ぶ恋人の上に身をかぶせる。白く細い首筋に唇を寄せた。


「ねえ、邪魔」

「邪魔してるんだよ。星より俺の方がいい男でしょ」

「人工の星に張り合わないでよ」


 所有の跡を残して、一度唇を離す。

 そして、服の上から、まことしやかな運命の形をなぞるようにキスを落とした。


「……直接キスしていいけど」

「……誘ってる?」

「うん」


 太陽が沈む気配もない真昼間。

 人工の星屑が天井で輝き、後先考えない恋人が悪魔の囁きをする。

 本気か視線を真正面から合わせると、葵子はふわふわの髪を床に広げ、男を煽るような艶かしい瞳で射抜いてきた。


「抱かないの?」

「…………荷物、まだあるし、夜は、葵子を誘った油断ならない男のバーに、飲みに行くのに……」

「うん、ついでにマーキングしたらいいじゃん」

「……ほんと、ほんっとーに、葵子は自分の発言に気をつけた方がいいよ」

「なんで」

「朝まで抱いちゃうから」


 官能的に唇の端を緩めていた恋人が、俺の一言ですんっと真顔になる。

 俺みたいな性悪、すぐ調子に乗るからね。家から出さないし、動けなくなるまで抱いちゃうに決まってるのに、学習しなくて可愛い。
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