まことしやかな恋

 缶チューハイ装備をしてる酒臭い大人を、そんなつぶらな瞳で縋るように見ないでほしい。クソガキの更生は職務に含まれていない。

 と、言えるわけもなく。


「……わかりました。先生これでも強いので、未成年のクソガ……うちの生徒を回収してきます。君は家に帰って彼女に連絡でもしてください」

「いや今クソガキって言おうとしたよね!? てかしばちゃん酔ってない!? あと何で付き合ったの知ってんの!?」

「……とにかく、君のいう怪我だらけの問題児はこちらで何とかするので、補導される前に帰ること」

「っ、でもさっ……わ、わかった……」

「よろしい」


 手の中にある冷たい金属の中身を一滴残らず飲んでからぐしゃりと潰す。それを見て渋っていた生徒も何か納得した様子で帰っていった。

 ……時給、発生しないよね。しないか。

 騒々しい声の方角につま先を向けて歩き出す。喧嘩してる生徒の仲裁に予定が変更され、脱力感に見舞われながらスマホの動画機能をオンにした。

 閑静な住宅街を通り抜け、少々治安の悪い公園に辿り着く。想像通り、私服ではなく着崩した制服で不良たちが殴る蹴るの暴行をしていた。

 いつの時代も不良って、謎に制服着てるんだよね。

 制服姿で暴れてたら、学校に連絡いくのわからないのか? こんな派手に喧嘩して見つかることくらい予想できるでしょうに。アホどもが。
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