第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
「様子を見て危険なら止めるつもりだった。でもただ困っている人だと分かったから、見守っていた」
「見守ってたんですか?」
「ああ。危険がないなら俺が出ていく必要はないから」

 まあ、そうかもしれない。

「あの、もし危険だったらフォローしに来てくれたんですか?」
「ああ」
「でも、厄介事に巻き込まれるのは嫌ですよね?」
「そうだけど、君は妻で俺が守る対象だから」

 澄春は千咲をまっすぐに見つめながら当然のように言う。

(妻……俺が守る……)

 甘い空気が流れているわけでもないのに、千咲の胸はきゅんと締め付けられた。

 こういった澄春の庇護の態度に千咲は弱い。

 照れくさくて、澄春と目を合わせていられない。

「どうかしたのか?」
「いえ、別に……」
「挙動不審だけど」

 ときめいていた心があっと言う間に覚めた。

「失礼です」

「ごめん、怒ったか?」

 澄春がどこか慌てたように声で言う。大げさな反応に千咲は戸惑ってしまった

「怒ってませんよ」

 彼が千咲の機嫌を気にするなんて意外だ。

「それならよかった。正樹が言うには、俺は口数は少ないけど毒舌だそうだ。相手が怖がらせるらしいから、気を悪くしてないか気になった」
「大丈夫です。でも私は澄春さんが毒舌だと思わないですよ」
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