第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
「今はもう緊張してないよな」
「もちろん」
千咲が安心したように笑った。澄春の心が柔らかくなった。
***
社長夫人として周知されて、半月が経った。
騒動は大分沈下して、落ち着いて仕事ができるようになった。
千咲は午前中集中して仕事をして、昼休みになると総務部のフロアを出た。
今日は郵便局に振り込みに行くため、彩香とは別行動だ。
用事を済ませてから近くのカフェに寄ったが満席たったため、諦めて会社に戻った。
いつものコーヒーショップでベーグルでも買えばいい。
ところが店に入る前に、豊原凛華に声をかけられた。
「楠木千咲さん、あなたに話したいことがあるの。少しつきあってくれないかしら」
千咲はたちまち憂鬱さに襲われた。
彼女は千咲を疎ましく感じているのに、なぜ関わろうとするのだろうか。
「すみません、今時間がないもので」
「昼休みなのに? 休憩時間がなくなるのを心配しているなら、私があなたの上司に話して融通してもらうから大丈夫よ」
凛華が逃げ道を塞ぐように言う。
千咲はため息を吐きたくなるのを抑えた。
結局凛華は部署が違うとはいえ上役で、無下にはできないのだ。
「分かりました」
「ついてきて」
「もちろん」
千咲が安心したように笑った。澄春の心が柔らかくなった。
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社長夫人として周知されて、半月が経った。
騒動は大分沈下して、落ち着いて仕事ができるようになった。
千咲は午前中集中して仕事をして、昼休みになると総務部のフロアを出た。
今日は郵便局に振り込みに行くため、彩香とは別行動だ。
用事を済ませてから近くのカフェに寄ったが満席たったため、諦めて会社に戻った。
いつものコーヒーショップでベーグルでも買えばいい。
ところが店に入る前に、豊原凛華に声をかけられた。
「楠木千咲さん、あなたに話したいことがあるの。少しつきあってくれないかしら」
千咲はたちまち憂鬱さに襲われた。
彼女は千咲を疎ましく感じているのに、なぜ関わろうとするのだろうか。
「すみません、今時間がないもので」
「昼休みなのに? 休憩時間がなくなるのを心配しているなら、私があなたの上司に話して融通してもらうから大丈夫よ」
凛華が逃げ道を塞ぐように言う。
千咲はため息を吐きたくなるのを抑えた。
結局凛華は部署が違うとはいえ上役で、無下にはできないのだ。
「分かりました」
「ついてきて」