第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
「これは、どういう基準で選ばれたんだ? ざっと見た限りじゃ澄春との共通点なんてないじゃないか」

 澄春は淡々と千咲のプロジールを眺めてから、正樹に目を向けた。。

「表面的な情報よりも、質問により潜在的な価値観や欲求を把握して結果に反映するようになっている」
「性格が合うかどうかが重要ってことか? それにしても、澄春の相手にしては物足りない。あまりにも平凡だ。容姿はまあまあだけど、他はレベルが違い過ぎる」

 正樹は楠木千咲がこの場にいないのをいいことに、本音を言いたい放題だ。対照的に澄春の心には何の波風も立っていない。冷静そのものだ。

「システムが選んだのだから、彼女との相性がいいんだろうな。目につく欠点がないのだから問題ない。彼女と結婚するつもりだ」

 正樹は信じられないといいったように目を見開いた。

「おい、本当に彼女でいいのか? ここまで完璧な相性でないとしても他に候補がいるんだ。検討したらどうだ?」

「システムが最適な候補を出したのに、どうして他の相手を選ぶ必要がある?」

「でも結婚は一生続くかもしれないんだ。せめて家柄や素行調査を済ませてから決断しろよ!」

「そういった手間を省き最適の相手を見つけるのが、ベストマリアージュのコンセプトだったはずだ」

 澄春は画面を閉じて、不服そうな正樹を見つめた。

「楠木千咲を呼んでくれ」
 
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