第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
 澄春が選んだのは、オフショルダーのAラインドレスだ。上品でありながら可愛らしさもある。

「可愛い! 試着してもいいですか?」

 千咲は早速スタッフを呼び、試着をはじめる。

「澄春さん、どうかな?」

 ドレス姿の千咲がくるりと回ってみせると、澄春は少し呆けたような表情になった。

「……すごく綺麗だ」

 とても気持ちが入った、心からの言葉だと感じる声音だった。

「ほ、本当?」

 千咲はドキドキしながら、頬を染めた。

「本当。誰にも見せたくないくらい、綺麗だ」
「も、もう、澄春さんって恥ずかしくなること平然と言うよね」

 ここにはスタッフた何人もいるというのに。

「正直に言ってる」

 真面目に返されて、千咲はますます居たたまれなくなった。

「す、澄春さん、このドレスの写真撮ってくれた?」

 今日は試着したドレスを澄春に撮影して貰っている。

 あとでゆっくり確認するためだ。

「完璧に撮ってある」
「ありがとう」
「次のドレスはどうする?」
「大丈夫。このドレスに決めたから」

 澄春が選んでくれたドレスを、千咲は心から気に入った。

 せっかくの結婚式だ。ふたりとも好きなドレスを着るのが一番だ。

「次は澄春さんの衣装を選ぼう」
「俺は適当でいい。何を着ても同じだから。千咲に合わせる」
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