第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
 千咲は段取りを考えながら、スマートフォンを取り出した。着信履歴を確認して眉を寄せる。

「どうしたの?」
「昨日、おばあちゃんにウエディングドレスの写真を送ったんだけど、返信がないの」
「まだ見てないんじゃない?」
「そうなのかな……」

 祖母は常にスマホをチェックしている訳ではないから、気付かないということもあるかもしれない。

(ウエディングドレス姿を早く見てほしかったのに)

 千咲は少しがっかりしながら、スマホを仕舞った。

 彩香が自分の部署に戻った後、千咲はリース契約の資料をまとめていた。

 二時間ほど集中して作業をして区切りがついたので、休憩をしにカフェスペースに向かう。

 アローフォワードでは、定期的に休憩をとることが推奨されており、千咲はだいたい夕方の四時に休んでいる。たいていは夕食のメニューを考えたり、メッセージの返信をしたりして過ごしている。

 コーヒーを淹れてスマホを確認した千咲は、大量の着信履歴を見てさっと顔色を変えた。

 どれも祖母が入院している病院からだ。

(まさか、おばあちゃんになにかあったの?)

 不安に苛まれながらメッセージを確認する。

 病院からも届いていた。

 急いで読むと、祖母の体調が悪化したため、至急くるようにとのことだった。
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