第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
千咲は上司に事情を説明すると、急ぎオフィスを飛び出した。
祖母は意識を失ってベッドに横たわり、体にはモニターや酸素マスクがつけられていた。
顔色が真っ青で、ついこの前まで笑顔でセーターを編んでいたとは思えない。
千咲は狼狽えながら、前島医師に説明を求めた。
「どうして急にこんなことに?」
「心労が重なって体に負担がかかったのが原因です」
「何があったんですか?」
前島医師の代わりに、いつも祖母の面倒を見てくれる介護担当の女性が答えてくれた。
「楠木さんは、なにかの写真を見ていました。呆然とした感じで、それからずっと塞いでいたんですけど、急に発作が起きて」
千咲は頭の中で状況を整理した。
(つまりおばあちゃんは、すごくショックなことを知って感情が昂りすぎたってこと?)
そのせいで発作が起きてしまったのか。
「その写真って……」
「こちらです」
差し出された紙にのは、なにかのスクリーンショットのようだった。
「これは……私のアカウント?」
しかも今日のものではなくて、炎上したときのものだ。
コメント欄に並ぶ、千咲への批難が綴られている。
【失せろ、不倫女】や【ぶすのくせに調子にのるな】など目を背けたくなるようなものばかりだ。
ネットの炎上など知らない祖母が見たら、ショックで心を痛めるだろう。
もう一枚の写真には、暴露系インフルエンサーが書いた記事のスクリーンショットだった。
そこには千咲が婚活アプリで玉の輿に乗ったのに、不倫をしたと、簡単に言えばそんな内容が綴られていた。
千咲は祖母に心配をかけたくなくて、炎上騒動について隠していた。
(それなのに、一体だれが……)
きっと祖母は孫が大勢から責められているのを見て、胸を痛めたのだろう。祖母には澄春との出会いはインターネットのお見合いのようなものだと話していたが、詳細は知らせていなかったから。
どちらにしても、このスクリーンショットの印刷を持ってきた人物には、悪意がある。
これは確実に嫌がらせだと千咲は思った。
「これを誰が持って来たのかは判明したんですか?」
前島医師は首を横に振った。
「楠木さんの病室には監視カメラもないので確かめようがありません。廊下のカメラで見た限りでは不審な人物はいませんでした」
「その監視カメラの映像を私も見せていただけませんか?」
「それなら申請をしていただく必要があります」
「はい、申請が通れば、映像をお送りします。恐らく三日以内には」
千咲は落胆して目を伏せた。
祖母は意識を失ってベッドに横たわり、体にはモニターや酸素マスクがつけられていた。
顔色が真っ青で、ついこの前まで笑顔でセーターを編んでいたとは思えない。
千咲は狼狽えながら、前島医師に説明を求めた。
「どうして急にこんなことに?」
「心労が重なって体に負担がかかったのが原因です」
「何があったんですか?」
前島医師の代わりに、いつも祖母の面倒を見てくれる介護担当の女性が答えてくれた。
「楠木さんは、なにかの写真を見ていました。呆然とした感じで、それからずっと塞いでいたんですけど、急に発作が起きて」
千咲は頭の中で状況を整理した。
(つまりおばあちゃんは、すごくショックなことを知って感情が昂りすぎたってこと?)
そのせいで発作が起きてしまったのか。
「その写真って……」
「こちらです」
差し出された紙にのは、なにかのスクリーンショットのようだった。
「これは……私のアカウント?」
しかも今日のものではなくて、炎上したときのものだ。
コメント欄に並ぶ、千咲への批難が綴られている。
【失せろ、不倫女】や【ぶすのくせに調子にのるな】など目を背けたくなるようなものばかりだ。
ネットの炎上など知らない祖母が見たら、ショックで心を痛めるだろう。
もう一枚の写真には、暴露系インフルエンサーが書いた記事のスクリーンショットだった。
そこには千咲が婚活アプリで玉の輿に乗ったのに、不倫をしたと、簡単に言えばそんな内容が綴られていた。
千咲は祖母に心配をかけたくなくて、炎上騒動について隠していた。
(それなのに、一体だれが……)
きっと祖母は孫が大勢から責められているのを見て、胸を痛めたのだろう。祖母には澄春との出会いはインターネットのお見合いのようなものだと話していたが、詳細は知らせていなかったから。
どちらにしても、このスクリーンショットの印刷を持ってきた人物には、悪意がある。
これは確実に嫌がらせだと千咲は思った。
「これを誰が持って来たのかは判明したんですか?」
前島医師は首を横に振った。
「楠木さんの病室には監視カメラもないので確かめようがありません。廊下のカメラで見た限りでは不審な人物はいませんでした」
「その監視カメラの映像を私も見せていただけませんか?」
「それなら申請をしていただく必要があります」
「はい、申請が通れば、映像をお送りします。恐らく三日以内には」
千咲は落胆して目を伏せた。