第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
(それじゃ、遅すぎる。しかも申請が通るかも分からないなんて)

 待っている間に、また祖母に何かが有ったらどうすればいいのだろう。

 途方に暮れたそのとき、澄春が駆け付けた。

「澄春さん、どうして?」
「俺の方にも連絡が入ったんだ。総務のフロアに行ったら千咲は帰ったと聞いて、急いで追いかけてきた。それでおばあさまは?」

 千咲は唇を噛み締めた。胸の痛みに耐えながら、聞いた話を説明する。

「誰かがおばあちゃんに悪意がある写真を見せたの。でも誰が持ってきたのかが分からなくて、廊下の監視カメラを確認するには、申請を出して通して貰わないといけないルールなんだけど、時間がかかるみたい」
「……分かった。千咲こっちに来て」

 澄春は千咲の手を取り、病室とは逆方向の院内食堂に向かった。

「澄春さん、何をする気?」
「監視カメラを確認する」
「でも申請が必要なんじゃ……」

 澄春はテーブルにノートパソコンを開くとどこかに電話をかけはじめる。

「水無瀬だ。今すぐ監視カメラを映像が見たい。特別許可を出してくれ。通常のルートだと時間がかかりすぎて待っていられない」

 澄春の口調は強引だったが、しばらくすると本当に許可が下りた。

「すごい……」
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