第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
 ベッドの軋む音がして、千咲は逞しい体に組み敷かれた。
 
 彼の手が優しく頬に触れて、キスが再開する。

 額から頬を通り更に下に。服の上から小ぶりな胸に触れられると、千咲の体がびくりと撥ねた。
 声を上げる間もなく、再び唇が塞がれる。

「ん……」

「千咲、可愛い……」

 澄春の掠れた声はセクシーで、千咲の頭の芯がじんと痺れてしまう。

 長く塞がれていた唇が解放されると、千咲は熱っぽい息を零した。

 気付けば着ていた服はベッドの下に落ち、澄春に素肌を晒していた。

 部屋の灯りはつけたまま。遮るものがないまま熱っぽい視線を受け止める。

 彼の力は強くて逃げることも出来ない。

 この状況に羞恥心でどうかしそうになったが、澄春は離してくれない。それどころか器用にブラを外し、ショーツも足から抜いてしまう。

 生まれたままの姿をさらし、千咲はぎゅっと目を閉じた。

 その瞬間を狙ったように、首元にちりっとした刺激が生まれ、かと思えば右足を熱を持った手が撫でる。

「あっ……澄春さん」

 目を開けると、胸元に澄春の顔が降りていくところだった。千咲は慌てて身を捩った。

 けれどそんな抵抗は意味がなく、澄春の口内に千咲の胸の先端が消えていく。

「あっ!」

 これまでとは比べ物にならない刺激が、胸から全身に巡って行く。
 体が熱い。

 澄春は跳ねる千咲の体を、熱心に愛撫を施し続ける。
 
 時間を忘れて抱き合い、気が付けば深夜十一時になっていた。

「どうしよう! せっかくのクリスマスディナーが……」

 朝から必死に頑張ったのに、食べ損ねてしまうなんて。

 ショックを受ける千咲を見て、澄春がくすりと笑う。

「まだ日付は変わってない。今から急いで準備をして食べよう」
「……そうだよね」

 千咲は大急ぎで服を着ると、キッチンにダッシュした。

 幸いローストチキンやケーキなど手がかかるものは完成していて、あとは温めるだけだ。

 トマトとチーズのスパゲッティとグリーンサラダは、澄春にヘルプをしてもらいながら手早く作った。
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