第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
七章 幸せになる

 年が明けて早々、千咲の祖母のカテーテル手術日がやってきた。

 澄春は早朝に海外とのオンライン会議の予定と、書類にサインをする必要があったため出社した。やるべきことを済ませたら、朝一番で病院に向かった千咲と合流する予定でいる。

 最速でサインを済ませると後は正樹に託して席を立った。

「手術が無事終わるまで、携帯の電源は切るから」
「わかった。仕事のことは気にせず、千咲さんを支えてやれ」
「ああ」

 澄春は地下駐車場で車に乗ると、急ぎ病院に向かった。

 祖母は入院中に体を整えて、手術に耐えるだけの体力を蓄えている。前島医師の話では成功率はかなり高い。ただそうはいっても高齢だ。凛華の件のトラブルもあったので、千咲は不安がっていた。

 早く行って、支えてあげたい。

 澄春が病院に着いたのは、手術開始の三十分前だった。

 祖母は術前検査を終えて、病室で待機しているところだった。

「澄春くん、来てくれたの? お仕事は?」

 千咲とおしゃべりをしていた祖母が目を丸くする。

 リラックスした様子で、千咲の方が緊張を隠しきれていないように見える。

「千咲と一緒におばあさまの手術が無事終わるのを待ちたくて、急いで終わらせてきました」
「まあ、そうなの。ありがとうね」

 祖母はニコニコと目を細める。彼女のことだ。自分のお見舞いに来たことよりも、千咲の側に支えてくれる人がいるのがうれしいのだろう。

「澄春くん、私は大丈夫だから、ちーちゃんが無理をしないか見ていてね。この子ったら、朝から何も食べていないのよ」
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