第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
「当然のことだ。おばあさまの手術が成功してよかった」
「うん、本当に」

 千咲が柔らかな笑顔になる。澄春は彼女の変化を実感じていた。
 彼女が澄春を信頼し頼ってくれているのが分かる。

 その事実が澄春の胸を満たした。

 彼はそっと千咲の手を取り握った。

「なにか食べにいこうか」
「うん。安心したら、お腹が減っちゃった」
「何が食べたい?」
「澄春さんのお勧めは? 私澄春さんが選ぶお店に行くのが密かな楽しみなの」

「そうなのか?」
「うん。新しい発見があるから」

 たしかに千咲は、澄春が連れて行く店に入ると、いつも興味深そうにしている。

「わかった。それじゃあ、ブルガリア料理の店はどう?」

 千咲の目が輝いた。

「楽しみ! どんな料理があるんだろう。私、ヨーグルトしか思いつかない」
「千咲が言ってるヨーグルトって、スーパーで売ってるのだろ?」

 澄春は思わず笑ってしまった。

 千咲は繋いだ手にぎゅっと力を込めて、幸せそうに澄春を見つめていた。

 
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