第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
一月下旬の吉日。冬の澄んだ空の下。千咲と澄春の結婚式が挙げられた。
チャペルには身内と特に親しい人だけを呼んだ。千咲が夢見ていた、ささやかで温かな挙式を澄春が叶えてくれたのだ。
誓いの言葉と共にキスを交わす。すると祝福の声が上がった。
「おめでとう!」
澄春は正樹と伯母家族を呼び、千咲は祖母と彩香がかけつけてくれた。
「ありがとう」
千咲はひとりひとりに声をかけて、感謝の気持ちを告げていく。
澄春は側から離れず、感動で涙ぐむ千咲を見守ってくれていた。
「大切な人達に祝福してもらえて本当にうれしい……私すごく幸せ」
澄春を見上げて気持ちを伝えると、彼は優しく微笑んで千咲を抱き寄せた。
「俺の方が幸せだよ。千咲……結婚してくれてありがとう」
彼が千咲の涙をそっと拭う。愛情が伝わってくるような優しい手に千咲は目を細めて微笑んだ。
「メイクが崩れるから泣かないようにしないと」
「直す時間があるから大丈夫だ。無理に我慢しないで。感情豊かな千咲はとても綺麗だ」
澄春の優しい言葉に、千咲はますます涙が溢れてしまう。そっと体を寄せたとき、「澄春、私たちは先に向かうわ」と澄春の叔母の大きな声が響いた。
千咲は驚き、顔を上げる。