第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
「今後のスケジュールなどを纏めておいた。あくまで俺からの提案だから、変更したい点があるなら遠慮なく言ってくれ」
「は、はい」

 千咲は強制的に現実に戻され、澄春が差し出すタブレットを受け取った。

 画面にはこれからの段取りと、詳細な決め事がリスト化されている。

(ええと、婚姻届けの提出は一週間後……早い!)

 必要な証明書を準備しておくようにとの注意事項まで添えられている。

 新居はアローフォワードが入っているオフィスビルから車で十五分ほどの高級レジデンス。

 澄春が購入したものだが、内装を変更したければ、千咲が自由にリフォームしていいとのことだ。

 生活費は全て澄春が負担。社長夫人としての品位保持費も同様。

 随分と千咲に親切な条件だと思いながら次の項目を読み進める。

(ええと……夫婦生活について?)

 千咲の顔が一気に熱を持った。

 結婚するのだから、そういうことがあるのは当然だ。でも彼と体の関係を持つなんて想像できない。

 そもそも千咲は未経験だ。奥手でずっと恋人がいなかったし、婚活を初めてからできた恋人は、深い関係に進む前に終わってしまったから。

(いやでも、やるしかない!)
< 30 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop