第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
 しかし肝心な夫婦の関係に関しては、まだ慣れない。

 千咲は未だに澄春がなにを考えているのか分からないし、彼を前にするとどうしても張り詰めた気持ちになるのだ。

 穏やかな結婚生活を望んだはずが、ふたりきりになると緊張感が漂い始める。話題を見つけることができなくて無言が続く。よく知らない者同士が夫婦になったのだから仕方がないのだけれど、明らかにぎくしゃくしている。

 ただ、そんな状況下でも、千咲はなんとか澄春に歩み寄ろうと自分になりに頑張ろうとしている。まずは普通の夫婦らしい時間を持とうと考えた。

 食事中は会話が無くても、食べてればいいからまだ間が持つし、同じテーブルに着いているのが当たり前になるから。

 澄春は多忙で、夕食は自宅で取らない日が多い。だからふたりで食事をするのは朝食がメインだ。

 千咲は勇気を出して『一緒に朝ごはんを食べましょう』と声をかけてみた。

 断られるかもしれないと内心ドキドキしていたが、澄春は予想に反して、千咲の提案を嫌がることなく受け入れてくれた。

 元々澄春が結婚した一番の目的は、ベストマリアージュがいかに的確な判定をするのかを、身を持って世間にアピールすることにある。

 彼としても夫婦円満を目指す必要があると考えたのかもしれない。
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