第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
『私は両親を早くに亡くしたからか、寂しがり屋なんです。人との縁を大切にしたい。澄春さんとこうして縁ができたこともうれしいです』
『……それならよかった』

 澄春の口角が自然と上がった。

 彼女は自分にはないものを持っている。それはとても大切なものだと感じている。

 千咲がいると、心が安らぐ。

 ベストマリアージュの判断は、間違っていなかった。そう強く実感するようになっていた――。

「澄春の口から、優しいなんて言葉が出てくるなんて」

 正樹が驚愕の表情で言う。

「おかしいか?」
「いや、むしろ正常だよ。結婚してまだ日が浅いのに、奥さんの影響力は大きいんだな」

 正樹がしみじみと呟く。

「うらやましくなったのか?」

 正樹が目を見開いた。

「そんな軽口を叩けるようになったのか!」
「人をなんだと思ってる?」

 澄春は冷たい目で正樹を見た。

「澄春、お前変わったよ」
「そろそろ仕事に戻ったらどうだ?」

 澄春はうるさい正樹を無視して、書類に目を落としたのだった。
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