第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
三章 結婚報告


 十一月一週目の月曜日。婚姻届けを出して丁度一カ月になる、結婚報告当日。

 公式ホームページのトップページに、水無瀬澄春社長がベストマリアージュで選ばれた相手と婚姻届けを提出し、良好な夫婦関係を築いているとのニュースがアップされ、SNSのトレンドを賑わせた。

 妻については、同社社員とだけの記載だったが、社内向け広報の方は千咲の名前がしっかり記載されていた。

 その日、千咲は澄春の車で出社した。

 会社前でマスコミやインフルエンサーが待ち構えている可能性があり危険だと澄春が言ったからだ。

 地下室の駐車場から直接オフィスに向かったため大きな騒ぎにはならずに済んだが、エレベーターの中では、他社の社員からも注目されてしまった。

 総務部のフロアに着いてからは、更にすごい視線を集めることになった。

 覚悟していたものの、緊張せずにはいられない。

(いや、もじもじしている方が変に思われる。普通にしてれば大丈夫!)[悠森75]

 覚悟を決めて出入口のドアを開く。

「おはようございます」

 いつもの挨拶をした。直後数人が駆け寄ってくる。

 部署内でも特に明るく積極的な性格の同僚たちだ。

「楠木さん、ニュース見たよ! まさか社長と結婚してたなんて全然気づかなかった。あ、これからは水無瀬さんって呼んだ方がいいのかな?」
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