第一印象最悪の彼が、最愛の旦那さまになりました
 これくらいなら、安心して仕事ができそうだ。
 そわそわした空気も、そのうち落ち着くことだろう。

 午後四時。千咲はきりがいいところで仕事を終了し、総務部のオフィスを出た。

 今日はアローフォワード創立十周年の記念とベストマリアージュリリース記念パーティーが開催される。

 千咲は澄春のパートナーとして、出席することになっているため、準備に取り掛からなくてはならない。

 企業のパーティーに出席した経験がないので、どんな服装をすればいいのかすら分からない。

 そんな千咲のために、澄春はスタイリングサロンを予約してくれた。秘書室長の正樹を入れて、三人で銀座のサロンに向かった。

 ドレスのスタイリングからヘアメイクまで一気に引き受けてくれるというサロンは、またもや千咲の想像とはまったく違った。

 お洒落なヘアサロンをイメージしていたが、実際はラグジュアリーなホテルのような雰囲気だった。完全個室で、ひとりひとりに専属のスタイリストが着くため他の客が気になることもない。

 千咲のために用意されていたのは、シャンパンゴールドのドレスだった。鎖骨のラインに沿うボートネックで、スカートは広がり過ぎないAライン。
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