恋煩いの処方箋
4.家族になろうよ
4.家族になろうよ
リビングの窓から西の空が橙色に染まっていくのをみていた。物音に目をやると、和花が泣き出しそうな顔で辺りを見渡している。
「起きた?」
こくりと頷く娘を抱き寄せると、思い出したかのようにまたポロポロと涙を流し始める。話したい事はいろいろあるけれど落ち着くまで待つ事にした。
しばらく背中を撫でてやり、黒く柔らかな髪に鼻を埋める。
「ママ、重いよ……」
「ごめん」
パッと顔を上げた。すると和花は私の目を真っ直ぐに見つめる。への字の口がゆっくりと開く。
「のんね、今日ね、先生に会いにいったんだ……」
「うん、知ってる」
「先生がねママに心配かけたらいけないよって、保育園も勝手に出てきたらダメなんだよって怒ったの。だからのん泣いたの。そしたらね先生も泣いちゃったの……」
大和が泣いたなんて初耳だ。でも、それくらい心配してくれていたと言う事なのだろう。私には叱るなといって、然るべきタイミングで和花に大切な事を伝えてくれていた。
「先生、のんのこと嫌いになったかなぁ。まりな先生も、園長先生も、のんのこと怒ってるかなぁ」
眉毛をハの字にして聞いてくる。自分がやらかしたことの重大さを彼女なりに理解しているのだろう。警察沙汰にはならずに済んだとは言え、わが娘ながらなかなかとんでもない事をやらかしてくれた。
「遠藤先生と園長先生には明日ちゃんと謝ろうね。ママも一緒にごめんなさいを言うつもりです」
「うん、わかった。先生には?」
「大和先生にはねぇ……お詫びにこれからご飯作ろうと思うんだけど、のんも手伝ってくれる?」
「ごはん?」
和花の頭上にクエスチョンマークがたくさん浮かんで見えた。やがて、なにか閃いたように瞳を輝かせる。
「先生のんのおうちにくるの? 何時ごろ?」
「何時かは分からないけど、お仕事が終わったらのんちゃんに会いに来てくれるって言ってたよ」
「ほんと? やったねーママ!」
さっきまで落ち込んでいたとは思えないはしゃぎようで、叱るタイミングを逃してしまった。(母なりにキチンと叱らねばとは思っていたのだけれど……)
リビングの窓から西の空が橙色に染まっていくのをみていた。物音に目をやると、和花が泣き出しそうな顔で辺りを見渡している。
「起きた?」
こくりと頷く娘を抱き寄せると、思い出したかのようにまたポロポロと涙を流し始める。話したい事はいろいろあるけれど落ち着くまで待つ事にした。
しばらく背中を撫でてやり、黒く柔らかな髪に鼻を埋める。
「ママ、重いよ……」
「ごめん」
パッと顔を上げた。すると和花は私の目を真っ直ぐに見つめる。への字の口がゆっくりと開く。
「のんね、今日ね、先生に会いにいったんだ……」
「うん、知ってる」
「先生がねママに心配かけたらいけないよって、保育園も勝手に出てきたらダメなんだよって怒ったの。だからのん泣いたの。そしたらね先生も泣いちゃったの……」
大和が泣いたなんて初耳だ。でも、それくらい心配してくれていたと言う事なのだろう。私には叱るなといって、然るべきタイミングで和花に大切な事を伝えてくれていた。
「先生、のんのこと嫌いになったかなぁ。まりな先生も、園長先生も、のんのこと怒ってるかなぁ」
眉毛をハの字にして聞いてくる。自分がやらかしたことの重大さを彼女なりに理解しているのだろう。警察沙汰にはならずに済んだとは言え、わが娘ながらなかなかとんでもない事をやらかしてくれた。
「遠藤先生と園長先生には明日ちゃんと謝ろうね。ママも一緒にごめんなさいを言うつもりです」
「うん、わかった。先生には?」
「大和先生にはねぇ……お詫びにこれからご飯作ろうと思うんだけど、のんも手伝ってくれる?」
「ごはん?」
和花の頭上にクエスチョンマークがたくさん浮かんで見えた。やがて、なにか閃いたように瞳を輝かせる。
「先生のんのおうちにくるの? 何時ごろ?」
「何時かは分からないけど、お仕事が終わったらのんちゃんに会いに来てくれるって言ってたよ」
「ほんと? やったねーママ!」
さっきまで落ち込んでいたとは思えないはしゃぎようで、叱るタイミングを逃してしまった。(母なりにキチンと叱らねばとは思っていたのだけれど……)