恋煩いの処方箋
入館料を支払って、館内を回りながらイルカショーの時間を確認する。予約はなく早めに入場する必要がありそうだ。
和花は自由に水槽を見て回る。私たちはその後を必死で追いかける。
「ちょっとのんちゃん、先生と手を繋ごうか!」
大和は和花に手を差し出す。けれど、無言でスルーされてしまう。
「のんちゃんにフラれた……」
少し悔しそうにいいながら、その手を私に差し伸べる。私はそっと繋ぐ。暗闇の中で、指を絡める。
イルカショーの時間が近づき、私たちは会場へと向かう。後ろの席に座り、始まるのを待つ。たくさんの親子連れや若者のグループなどで満席になっている。やがて、ポップな音楽が流れてアナウンスが始まる。
トレーナーの女性が登場すると会場が一気に湧いた。和花も真剣な顔でイルカのジャンプを応援する。とぼけたアシカの様子には手を叩いて笑う。その様子を私は大和と見守った。
ショーが終わりみんなが退席していく中、前の方の席で騒めきが起こる。
「あそこ、人が倒れてる。亜子はのんちゃんと先に出ていて」
大和はそう言って、次の瞬間には走り出していた。私は和花の手を引いて会場を出ようとする。でも和花は頑として動こうとしない。
「ここにいる。先生のこと待ってる」
言い出したら聞かない。無理矢理連れていくのは諦めて、できるだけ離れた場所で見守った。
大和は倒れた人に声を掛けながら、周りにいる人にテキパキと指示を出している。やがてスタッフがAEDを持って集まってくる。それから少し経って救急隊が到着すると状況を説明する。担架に乗せられた人は意識を取り戻したようだ。
和花は自由に水槽を見て回る。私たちはその後を必死で追いかける。
「ちょっとのんちゃん、先生と手を繋ごうか!」
大和は和花に手を差し出す。けれど、無言でスルーされてしまう。
「のんちゃんにフラれた……」
少し悔しそうにいいながら、その手を私に差し伸べる。私はそっと繋ぐ。暗闇の中で、指を絡める。
イルカショーの時間が近づき、私たちは会場へと向かう。後ろの席に座り、始まるのを待つ。たくさんの親子連れや若者のグループなどで満席になっている。やがて、ポップな音楽が流れてアナウンスが始まる。
トレーナーの女性が登場すると会場が一気に湧いた。和花も真剣な顔でイルカのジャンプを応援する。とぼけたアシカの様子には手を叩いて笑う。その様子を私は大和と見守った。
ショーが終わりみんなが退席していく中、前の方の席で騒めきが起こる。
「あそこ、人が倒れてる。亜子はのんちゃんと先に出ていて」
大和はそう言って、次の瞬間には走り出していた。私は和花の手を引いて会場を出ようとする。でも和花は頑として動こうとしない。
「ここにいる。先生のこと待ってる」
言い出したら聞かない。無理矢理連れていくのは諦めて、できるだけ離れた場所で見守った。
大和は倒れた人に声を掛けながら、周りにいる人にテキパキと指示を出している。やがてスタッフがAEDを持って集まってくる。それから少し経って救急隊が到着すると状況を説明する。担架に乗せられた人は意識を取り戻したようだ。