恋煩いの処方箋
 近くの映画館でレイトショーを観る予定だったが、大和と一緒に過ごしたいと思ってしまった。それは彼も同じだったようで、私の手を引いて部屋に戻るとドアが閉まるよりも早くキスをする。何度も。私は徐々に壁際に追い詰められ逃げ場を失う。バサリ、と花束が落ちる。
スカートをたくし上げられて、ようやく抵抗する。
「待って、こんな所で?」
「ごめん。一秒も無駄にしたくなくて」
 大和は私を抱き上げるとベッドまで運んでくれる。
「抱っこは無理なんじゃなかった?」
「そんなこと言ったっけ?」
 ととぼける。
「言ったよね、それな……んんっ」
 口を塞ぐようなキスをされ押し倒されて、甘やかな時間の始まりを悟る。
二十歳の時とは明らかに違う、迷いのない手が私の胸を優しく包む。やわやわと揉まれ指先で先端を探られるとびくりと背中が反る。すると今度はそこを執拗に擦られて堪らずに「イヤ」と声をあげた。
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