絵画にキスした男


「そうだね、知ってるよ」


 恋というには、未熟がすぎる。


「こうやって僕に無防備に触れて……もし、何かされたらどうする気なんですか」

 年々あなたとの背の差も、力の差も大きくなっている。
 舐められてばかりではいられないと、ついそんなことを言ってしまった。


「……さぁね。もう帰るよ私」


 とまあ、こんなところで僕の夢みたいな夢は幕を閉じた。




「……また、しょーもない夢を見てしまった……」

 ベッドの上で座り込みながら頭を抱える。ここ最近、この手の夢が多すぎる。
 僕を弄ぶような先輩の夢、だ……。幸せな夢を見た後に、現実に戻される悲壮感は著しく僕の心に残ってしまう。
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