天邪鬼な私に、宣戦布告されました
少し目を伏せ、悲しそうな顔――こんな颯斗を見るのは初めてで、胸がぎゅっとなる。

「颯斗、自分の言葉をコントロールできなくて苦しいの?
今、そんな顔をしてるよ」

ハッ

颯斗の息を呑む音が、いつもより大きく聞こえた。

私は、こんなちょっと捻くれた颯斗が好き。
でも、彼はそうしたくないのに皮肉を言ってしまう自分に、酷く傷ついていたんだ。

颯斗のお腹を見る。

(この鬼のせいで……)

辛そうな彼を、私はきっと救ってあげられる。
でも……どうしても自分の気持ちを優先してしまう。

だって、もし鬼を出してしまったら――
きっと大勢の女子が、颯斗のことを好きになってしまうから。

(ごめんね、颯斗……)

私は後ろめたい気持ちを必死に隠して、二人で無言のまま歩いた。
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