天邪鬼な私に、宣戦布告されました
私は昔から、人の中に棲みつく鬼が見えるという特殊能力を持っている。
しかも、それを取り出せるというおまけ付き。
すごい能力なの。

小さい頃は、みんなが当たり前に見えるものだと思っていた。
でも節分で豆まきをやっても、ちっとも鬼はいなくならない。

変だな、と思った私はママに聞いてみた。

「なんで、鬼は外って豆を投げてるのに、鬼は逃げていかないの?」

ママは、小さい鬼をお腹に入れながら言った。
「鬼さんはね、豆が痛い痛いって逃げていってるのよ。だから、今年一年、安心して暮らせるの」

私は、その小鬼に向かってまた豆を投げてみる。

「逃げていかないよ」

するとママは頭から角をちょっとだけ覗かせて、怖い顔をした。
「沙彩は、ママが鬼だって言いたいのかな」

小さいながらも、悟った瞬間だった。

みんなには鬼は見えないんだって。

でも、ママのお腹をえいって叩いてみたの。
鬼がいなくならないかな、って思って。

そしたら、ポンって出てきたかと思うと、どこかに消えてった。
もしかしたら、私に入ったのかもしれないな。
だって、自分のことは見えないから。
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