天邪鬼な私は、人気者の彼が苦手です
視線を合わせられなくて、屋台の明かりを見る。

沈黙が落ちる。

嫌じゃない。
でも、どこか足りない沈黙。

手が触れそうで、触れない。

『触っちまえよ』

(うるさい)

人の波が押してきて、距離が一瞬縮まる。

颯斗が、何か言いかけて――やめた。

「……いや、なんでもない」

甘いのに、苦しい。
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