幼馴染への三度目の失恋を回避したい ――激重な片思いを隠さなくなってきた彼に、心臓がもたなくなってきた彼女。【完結】
◇
梅雨に入り、連日雨続きでジメジメとした日が続いている。
部活の休憩時間。
いつもの体育館の隅で、同期たちと壁際に座り込んで水分補給をしながら駄弁っていた。
「朝井。週末、あそこのショッピングモールに彼女といなかった?」
不意にそんな声が降ってきて、僕はペットボトルに口をつけたまま頭上を見上げた。
声の主は、バスケ部の三年の先輩だった。
たしかに先週末、めぐみとそこのモールで買い物をしたり、映画を見たりしてデートをしていた。
「え、先輩もいたんですか。すいません、全然気づかなくて」
ペットボトルを口から離して答えると、先輩はニヤニヤと笑った。
「だろーな。お前、彼女しか見てなかったもん」
(……マジか。恥ず)
完全にめぐみの世界に浸っていたことを指摘され、内心で盛大に照れていると、周りにいた同期たちが面白がって乗ってきた。
「先輩、こいつの純愛物語知ってます? 十年ものなんすよ……」
「そうそう。付き合ってもう一年近く経つのに、朝井デレすぎなんだよな」
「……おい。勝手なこと言うな」
僕の抗議も虚しく、同期たちによっていろんな情報がバラされていく。
「へえ。じゃあ、順調なんだ?」
先輩に面白そうに聞かれ、少し言葉に詰まった。
脳裏に浮かぶのは。
昼休みにあの薄暗い旧校舎の階段で、恥ずかしそうに僕のキスに応えてくれる、僕だけが知っている彼女の顔――。
梅雨に入り、連日雨続きでジメジメとした日が続いている。
部活の休憩時間。
いつもの体育館の隅で、同期たちと壁際に座り込んで水分補給をしながら駄弁っていた。
「朝井。週末、あそこのショッピングモールに彼女といなかった?」
不意にそんな声が降ってきて、僕はペットボトルに口をつけたまま頭上を見上げた。
声の主は、バスケ部の三年の先輩だった。
たしかに先週末、めぐみとそこのモールで買い物をしたり、映画を見たりしてデートをしていた。
「え、先輩もいたんですか。すいません、全然気づかなくて」
ペットボトルを口から離して答えると、先輩はニヤニヤと笑った。
「だろーな。お前、彼女しか見てなかったもん」
(……マジか。恥ず)
完全にめぐみの世界に浸っていたことを指摘され、内心で盛大に照れていると、周りにいた同期たちが面白がって乗ってきた。
「先輩、こいつの純愛物語知ってます? 十年ものなんすよ……」
「そうそう。付き合ってもう一年近く経つのに、朝井デレすぎなんだよな」
「……おい。勝手なこと言うな」
僕の抗議も虚しく、同期たちによっていろんな情報がバラされていく。
「へえ。じゃあ、順調なんだ?」
先輩に面白そうに聞かれ、少し言葉に詰まった。
脳裏に浮かぶのは。
昼休みにあの薄暗い旧校舎の階段で、恥ずかしそうに僕のキスに応えてくれる、僕だけが知っている彼女の顔――。