幼馴染への三度目の失恋を回避したい 〜激重な片思いを隠さなくなってきた彼に、心臓がもたなくなってきた彼女。〜【完結】

エピローグ

 ◇

 あの日とは違う帰り道を、今、二人で歩いている。

「うわっ、なっちゃん見て! すっごく綺麗」
 めぐみが空を指差しながら教えてくれる。

「おー、ほんとだ」

 見上げると、燃えるようなオレンジ色でいっぱいだった。

「なんか、高校一年の付き合う前、二人でこういう夕焼け見なかった?」
「……あー。写真、撮り合ったとき?」
「そうそう!」

 懐かしい記憶が、鮮やかに蘇る。

「今のめぐの髪の長さ、ちょうどあの頃と同じくらいだな」
「たしかにー! 短いのと、どっちが好き?」
「どっちも」

 僕の即答に、めぐみは小さく唇を尖らせた。

「いや、そうじゃなくてさー」

 今は愛の度合いではなく、純粋な好みを教えてほしいらしい。

「なっちゃんはあの頃より少し長いよね。私は、長さはどっちでもいいけど、今みたいにおでこ出てるのがスキ」

「……知ってる」

 僕がそう言うと、彼女は「へへっ」と無邪気に微笑んだ。


 繋いだ手のひら。
 僕の右手の指先が、彼女のなめらかな薬指にはめられた、ひんやりとした金属の感触を感じている。

 これでさすがに、三度目の失恋は完全に回避できたよな?

 ……いや、そうだとしても。

 僕はずっと、この笑顔を咲かせ続けたい。
 僕のことをずっと好きでいさせて、回避し続けるんだ。

 それが、僕のこの重すぎる愛情の証。


 オレンジ色が照らす道路に、寄り添う二人の影が長く伸びていく。
 僕はそれを見つめながら、心の中で強くそう誓ったのだった。



―― 本編・完 ――



最後、番外編に続きます!

高校二年生の秋、二人にとって大切な日のお話となります。
そちらをもって完結いたします。

ぜひ、最後までお楽しみいただけたら嬉しいです。
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