幼馴染への三度目の失恋を回避したい ――激重な片思いを隠さなくなってきた彼に、心臓がもたなくなってきた彼女。
 ガチャリと鍵を開け、中に入る。

「ただいまあ」

 誰もいない家に呼びかけた。

 静かな玄関で靴を脱ぎながら、壁にかけられた姿見をじっと見つめた。
 鏡の中には、少し驚いたような顔をした、ハーフアップの自分が映っている。

「……なっちゃん、ハーフアップがいいんだ。ふーん……」

 小さく呟く。

『一番似合ってると思う』

 先ほどの、ややぎこちない彼の声が蘇ると、なんだかこそばゆくて、くすぐったい気持ちになるのだった。
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