幼馴染への三度目の失恋を回避したい 〜激重な片思いを隠さなくなってきた彼に、心臓がもたなくなってきた彼女。〜【完結】

第34話

 カラオケボックスのパーティールームに着いてからというもの、僕はクラスの連中に囲まれ、次々とタブレットでリクエスト曲を入れられていた。
 周りは「朝井、次これ!」と盛り上がっているが、僕の心中はひどく不満だった。

 僕が座らされた中心の席とは、ほぼ対角線くらいの一番離れた場所に、めぐみが腰を下ろしたのだ。

 そして彼女は僕のことなんて一切気にしていないように、隣の金森や周りの女子たちの話に笑ったりしている。

 昨日のライブ効果なのか、僕がマイクを握って歌うたびにみんなが異様に盛り上がってくれて、室内は割れんばかりの喧騒に包まれる。

 その中で、僕は横目でずっと、めぐみの姿だけを追っていた。
 手拍子をしてくれたりはしているが、絶対に目が合いそうにはない。
 おまけに、音がうるさくて声が聞こえづらいせいか、隣に座った男子がめぐみの耳元に顔を近づけて話しかけている。
 めぐみもそれに笑顔で応えており、見ているだけでイライラが止まらず、マイクを通して「オイッッ!!」と荒い声をあげてしまいそうになる。


 そして、昨日のステージで歌ったあの二曲のイントロが流れた。
 歌いながら視線を送ると、めぐみはじっとモニターの画面を見つめ、小さく口ずさんでいるようだった。

(……今、何考えてる?)

 マイクを握りしめながら、僕は心の中で彼女に問いかけていた。
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