幼馴染への三度目の失恋を回避したい ――激重な片思いを隠さなくなってきた彼に、心臓がもたなくなってきた彼女。

第35話

 打ち上げは大盛り上がりのままお開きとなり、クラスメイトたちはその余韻を引きずりながら、店舗が入っているビルの一階へと移動した。

 みんな名残惜しそうにエントランス付近で立ち話をしていたが、やがてパラパラと解散し始めた。

 僕も、仲のいい男子たちと歩いていくと。
 出口の脇に、見慣れた姿があった。

 めぐみが、約束通り待ってくれていた。

 向かってきた僕に気づき、ハッと肩を揺らす。

「……行くか」

 短く声をかけると、めぐみは黙ったまま小さく頷き、僕の隣に並んで歩き始めた。
 その状況に、興味津々に目を輝かせる男子たちに向かって、極めて冷静に「……じゃあな」と告げた。

 すると背後から、残っていた女子たちの「えっ……めぐと朝井くん、一緒に帰るの?」というざわめきが聞こえてきた。

「お前らマンション一緒だもんなー! 気をつけて帰れよー、バイバーイ!」

 そこで葉山が、わざとらしいほどの大声でナイスフォローを入れてくれた。

(葉山……今ほどお前に感謝したことはないよ……)

 心の中で感謝しつつ、僕は軽く手を上げて、彼らの視線から遠ざかっていった。
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