一夜の過ちのはずが政略結婚相手の社長に溺愛されています
「ああ……ああ……社長……」

私は彼の体にしがみついた。

「私……もう……」

「俺も、止まらない……」

その瞬間、社長の動きが止まって、私の中が彼の熱で満たされていくのが分かった。

「あ……ああ……社長の……」

「綾音。俺を受け止めてくれたね」

社長が私の頬にキスする。

「気持ちよかったよ、綾音」

覚えてくれていた名前。

私の想いに応えてくれた夜。

何もかもが嬉しかった。

「家まで送る」

社長が乱れた私を抱き寄せてくれた。

「でも……」

「せめて、余韻に浸らせてくれ」

社長の優しい声が、私の耳元で聞こえる。

でもきっと、社長との夜はこれっきり。

「泣くな」

社長は私の涙を指で受け止めてくれた。

「綾音の想い、俺が何とかするから」

そう言うと、社長はもう一度だけ甘いキスをくれた。
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