虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
1・虐げられた末姫は、復讐を始める
(大嫌い、大嫌い。皆々、消えてしまえ……!)

 闇夜を想起させる漆黒の髪に、真っ赤に燃える紅蓮の瞳へ憎悪の感情を宿らせたエクリーユ・アベティーラは、王家の血を引く8人の子どもたちの中で唯一異能を発現できなかった、7番目の子どもだ。

『王家の血を引いていたら、5歳の誕生日までには必ず異能が発現する……』

『それがないってことは、お姉様はきっと、お父様の子ではないのよ!』

『どこの馬の骨かもわからぬ血を引く娘を俺たちと同じように育てるなんて、父さんも太っ腹だな』

『お父様の恩情に感謝して、わたしたちに尽くしなさい! その命の灯火が、消え失せる時までね。あははは……!』

 王妃と浮気相手との間に出来た子どもに違いないと断定づけられたエクリーユは、あとから生まれた妹にさえも蔑まれ、「無能」と呼ばれて虐げられた。

 汚物を見るような目で、こちらを見つめる父親。
 兄妹に寄って集って暴行されている姿を目撃しても、無言で立ち去る母親。
 ストレス発散の捌け口としか思っていない5人の兄たち。
 いびり倒してくる姉と妹――。

 少女は口にするのも憚られるほどの酷い目に遭ったとしても、けして生きるのを諦めなかった。
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