虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(あとは……)

 邪魔な兄たちは、全員無効化した。
 残されたのは、この期に及んでもまだこちらを睨みつける元気がある妹と――真っ青な顔で怯える両親だ。

「こ、こんなことをして、ただで済むと思っているのか!?」

「もちろん。許されるべきではないと、よく理解しているわ」

「なら……!」

「すべてが終わったら、私はここを出ていく。そのためには――どうすればいいか、わかるでしょう?」

 エクリーユは己の持てる力をすべて披露し、この場を完全に掌握した。
 娘に畏怖を抱く父親に怯える次女の姿は、ここにはない。

(息子たちのようにみっともなく頭を垂れ、己の罪を認めなさい)

 少女は王が行動に移すまで、静かに待ち続ける。

「く……っ」

 彼はしばらく逡巡する様子を見せたが、最終的には観念したようだ。
 王座から腰を上げると、床の上に力なく崩れ落ちた。

「あ、あなた……!」

 頭を下げた夫に「そんなことをする必要はない」と言わんばかりに寄り添う妻が滑稽だ。

(こうして、夫ではなく……。私に寄り添ってくれたらよかったのに……)

 エクリーユは叶わぬ願いを胸にいだきながら、彼らを冷たい瞳で見下した。
< 10 / 112 >

この作品をシェア

pagetop