虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「彼の目を盗んでエクリーユと関係を持ったらどうなるか。あの男は、ずっと匂わせていた。そうしたずる賢く陰湿なところが、好まない」

「そう……」

 嫌いだとはっきりと宣言するのではなく、好きではないと言葉を濁して回答するあたりが彼らしい。
 エクリーユは真紅の瞳を潤ませ、リドディエに問いかけた。

「陛下は、あの人に何をされてもいいと思えるほど……。私を求めてくださったの……?」

「ああ。保身に入っている場合ではないと思った。君にとっては、ありがた迷惑だったかもしれないが……」

「いいえ。とても、嬉しかったわ。この手紙も……」

 エクリーユはテラマから受け取った古ぼけた手紙を彼の前に差し出した。

「見たのか」

「ええ。本来ならば、私たちはもっと早くに対話をするはずだったのね……」

「ああ……」

 リドディエは紫の瞳をどこか切なげに細めながら、黙ってしまった。
 エクリーユはこれ幸いと、己の主張を語り出す。
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