虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「これを見るまで、嘘だと思っていたの」

「僕の気持ちを疑うとは……心外だな」

「だって……。あなたは一国の王。私は、なんの取り柄もない第2王女で……。王位継承権は、あってないようなものですもの。リドディエ様から求められるほどの価値は存在しないわ」

「そんなことはない。君は、誰もが喉から手が出るほどに欲しがっている。魅力的な女性だ」

 彼はいつだって、自分は特別な存在なのだと勇気づけてくれた。
 それが何よりも嬉しいと思うと同時に――時折、胸が苦しくなってしまう。

「そう言ってくれるのは、陛下だけよ」

 本当に誰からも望まれるような存在であれば、リシーロのように家族から大切に慈しまれているはずだとわかっていたからだ。

「僕の人となりを聞いて、少しは心の距離が近づいてくれるといいのだが……」

「そう、ね。あなたは綺麗なだけではなく、他者に対して醜い感情をいだくような人と知った。それは、とても大きな一歩だと思うわ
 」
「ああ。これからも、君のそばにいてかまわないだろうか」

「もちろんよ」

「ありがとう」

 エクリーユは家族を恨み、リドディエはムガルバイトに並々ならぬ憎悪をいだく。
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