虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「わぁ……」
ふかふかとした感覚に戸惑いながら下を向けば、床は見慣れた茶色ではなく、緑色になっていることに気づく。
(これは、一体……)
少女が不思議そうに小首を傾げている間、店員はハンガーラックの上に立てかけられた色とりどりの着物を物色する。
彼女はエクリーユに似合う着物に見定め、嬉々としてそれを見せびらかした。
「婚約者様は、肌が白いもの。百合の花が、きっとお似合いですわ」
大嫌いな白百合の花がふんだんにあしらわれた着物を差し出されたエクリーユは、己の身体の奥底から湧き上がるふつふつとした怒りを必死に押し殺すように唇を噛みしめる。
(でも……黒を基調とした配色は、悪くはないのよね……)
「黒百合の花を象ったものは、あるかしら?」
「用意はありますけれど……普段着としてお使いになるのは、少々不吉ですわ」
店員には難色を示されたが、大嫌いな白百合の花を纏うよりはずっといい。
エクリーユは彼女の手にした着物ドレスを指差し、口元を綻ばせた。
「私は、それがいいの。着替えを、手伝ってくださる?」
「もちろんですわ」
女性は意気地になることなく、少女に希望通りの品を着せてくれた。
ふかふかとした感覚に戸惑いながら下を向けば、床は見慣れた茶色ではなく、緑色になっていることに気づく。
(これは、一体……)
少女が不思議そうに小首を傾げている間、店員はハンガーラックの上に立てかけられた色とりどりの着物を物色する。
彼女はエクリーユに似合う着物に見定め、嬉々としてそれを見せびらかした。
「婚約者様は、肌が白いもの。百合の花が、きっとお似合いですわ」
大嫌いな白百合の花がふんだんにあしらわれた着物を差し出されたエクリーユは、己の身体の奥底から湧き上がるふつふつとした怒りを必死に押し殺すように唇を噛みしめる。
(でも……黒を基調とした配色は、悪くはないのよね……)
「黒百合の花を象ったものは、あるかしら?」
「用意はありますけれど……普段着としてお使いになるのは、少々不吉ですわ」
店員には難色を示されたが、大嫌いな白百合の花を纏うよりはずっといい。
エクリーユは彼女の手にした着物ドレスを指差し、口元を綻ばせた。
「私は、それがいいの。着替えを、手伝ってくださる?」
「もちろんですわ」
女性は意気地になることなく、少女に希望通りの品を着せてくれた。