虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(樹齢100年はくだらないであろう大樹が、倒れる……? そんなこと、あり得るのかしら……)

 王女は思わず、陛下と顔を見合わせた。
 リドディエはどうしても少女と離れたくないのか、しばらく逡巡していたが――泣き腫らした目をしたエクリーユを人前に出すのはよくないと考えたのだろう。

 最終的には、少女を寝台に寝かせてから侵入者たちと合流することにしたようだ。

「私も、一緒に行くわ」

 しかし、婚約者はそれを拒む。
 少女は彼の首筋にしがみつき、ベッドへ横たわるのを拒否したのだ。
 彼もまさか、エクリーユの方から自身に密着してくるなど思いもしなかったのだろう。

「だが……」

「お願い」

 難色を示していたが、最終的には王女の意思を尊重すると決めたらしい。

「わかった。行こう」

 こうして2人は密着し合ったまま、事件が起きた場所を目指した。
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