虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「おお……」

「今のは、異能?」

「王族よ!」

「陛下の隣にいらっしゃる、異国情緒溢れる衣服に身を纏った殿下は、一体……」

「馬鹿っ。知らねぇのか!? アティール王国の第2王女だよ!」

「えっ。あの!?」

 その光景を遠巻きに目撃していた国民たちから、歓声が上がった。
 リドディエはそんな下々の様子など気にならないようで、近くにいた騎士へ問いかけた。

「異能か」

「ええ。物理的な攻撃が、無効化される効果が付与されているようです」

「解除には、術者と同等かそれ以上の異能を持つ王族が必要だな」

「陛下のお力添えを頂きたく……」

「ふむ……」

 彼は口元に手を当てて考える素振りを行ったあと、倒れ伏した木の切り口に注目する。

「木の根元が、腐敗しているな」

「はい。どうやら犯人は、2人組のようです」

 エクリーユの脳内には、嫌な光景が浮かんでは消えていく。

(イトゥク兄様の異能って……)

 物理攻撃の無効化に心当たりはないが、腐敗の異能を持つ兄のことはよく知っている。
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