虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「不思議ね……。ただ、唇同士を触れ合わせただけなのに……。こんなにも幸せな気持ちになれるなんて……」

 エクリーユは口元を、柔らかく緩めた。
 その破壊力たるや、とんでもない。
 リドディエもまた優しく微笑んで喜びを露わにすると、2人は寝台の上で抱き合う。

「僕も、同じ気持ちだ」

「ふふ。伝わってくるわ。リドディエ様の想い……。暖かくて……」

 多幸感に包まれた少女の身体はまだ、全快とは言えないようだ。
 睡眠を求める身体を無理やり動かし続けるのは、やめるべきだろう。

「今は何もかもを忘れて、休め」

 リドディエは彼女の目元を大きな指先で覆い隠すと、婚約者の耳元で囁いた。

「ん……。おやすみ、なさい……」

 抵抗するとばかり思っていたが、意外にも異を唱えられることはない。眠気に抗いきれなかった彼女は、こうして再び夢の国へと旅立っていった。
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